HSCとは?発達障害との違いや対応方法

2021-02-05

HSCとは?

「とても敏感な子ども」(Highly Sensitive Child)の略で、
アメリカの心理学者エレイン・N.アーロン博士が発表した概念です。

この博士が発表したtHSP(Highly Sensitive Person)
生まれつきとても敏感な感覚、感受性を持った人たちの
子ども版です。

発達障害と診断されている子どもたちや
不登校の子どもたちの多くは、
このHSCではないか?とも言われています。

身体の声を聴くメンタルケアでも
よく相談を受けるようになったので、
ここではHSCについてお話していきます。

*HSCのチェックリストは、最後にのせてありますので、
ぜひチェックしてみてくださいね。

 

HSCの特徴

敏感さに関する研究の中で、
HSPやHSCには4つの特徴があるとされています。

D(深く処理する:Depth of prosessing)
O(過剰に刺激を受けやすい:being easily Overstimulated)
E(全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い:being both Emotionally)
S(些細な刺激を察知する:being aware of Subtle Stimuli)

の頭文字をとってDOESと呼ばれています。

 

D:
観察力があり物事の本質をパッとつかむのが得意な一方、
あらゆる可能性を考えるので慎重になり、
決断や行動に時間がかかるという傾向があります。

 

O:
幼稚園や保育園、学校でも、HSCはそうでない子より
何倍もの情報を受け取ってしまうので、
心も身体も疲れてしまうのです。

 

E:
自分自身の感情だけではなく、他人の感情にも敏感で
HSCでない子よりもその共鳴は数百倍~数千倍にもなるそうです。

誰かが悲しい、と泣いていたら
普通は「悲しいんだね」くらいですが、
敏感な子は自分も大泣きしてしまうようなことがあります。

 

S:
音、におい、光、味、誰も気づかないような変化に気づきます。

卵焼きの味付けをちょっと変えただけで気づいたり、
お気に入りの服やタオル、ぬいぐるみがあったり、
蛍光灯のチカチカした明かりが苦手だったり、
香水や消臭剤などのにおいに反応したり、
化学物質や電磁波、薬などに反応する場合もあります。

 

発達その他障害との区別

医療機関や専門家の間でも
HSCやHSPについてまだまだ認知度が低く
発達障害とみなされることが多いようです。

 

自閉症スペクトラム、神経発達症、発達障害などと診断され

障害ではなくHSCという場合や
障害とHSCをあわせ持っている場合もあるので、
そのあたりを先生に見極めてもらう必要があります。


こういった診断は、診断名が大事なのではなく

その子はどういう特性で
どのような工夫があると日常生活がスムーズか、
どうやって個性を伸ばしていけばいいか、

の参考のためのものです。

診断名があってもなくても
子どもが毎日を楽しめるように、
子どもの個性を伸ばしていけるように
関わっていきましょう。

HSCの子育て、対応、サポート

精神科医の長沼先生が提案されている13か条が参考になるのでご紹介します。

 

HSCをそだてるための13か条

1、嫌なことは嫌と言える安心な関係を作り、本音を出させる
2、感じ方、考え方、気持ちを尊重し、価値観や期待を押し付けない
3、親の不安や恐れを伝染させない、不機嫌の責任を負わせない
4、子供の人格を否定しない、性格を決めつけない
5、条件をつけて愛さない、ほめない、コントロールしない
6、他の子や兄弟姉妹と比較しないで、個性を尊重する
7、敏感さの良いところやメリットを伝える
8、叱る前にルールを作り、破った時には理由を聞く
9、マイナス感情があってもいいし、大切な感情だと教える
10、過保護、過干渉にならないよう気をつける
11、親とふたりだけの関係に依存させないで、いろいろな人とつきあう
12、子供の問題に困ったときは、自分の育ちを振り返り、
親との関係を見直す
13、子どもの解離症状や抑圧が起きていないか、その目で見る

(『子どもの敏感さに困ったら読む本』長沼睦雄著 誠文堂新光社より)

 

どれもHSCではくても、子育てには必要なことですが、
敏感な子にとっては、特に気をつけたいところです。

 

全部を完璧に、となると親もしんどくなるので
周りの人に「これはどうかなあ?」など話をしながら
親も子もラクな方法を見つけていきましょう。

 

園や学校とのつきあい方

「うちの子はこういう特性を持っています」

と幼稚園や学校にHSCの本を持って行って
先生方に読んでもらうなど理解を求めたら
子どもたちが生活しやすくなった、

ということを何人かの方から聞いています。

もし子どもさんが幼稚園保育園、学校などで
しんどそう、行きたくないなどあれば、

本やネットの記事などを持って行って
理解を深めてもらうのも一つの方法ですね。

HSCを活かすには?

HSCの子たちは

観察力がするどかったり
気遣いができる
気持ちを分かってあげられる
内容をパッと把握できる
理解が早い
創造性が高い
感受性がとても豊か
・・・

などなど

ここに挙げた以上の個性をもっています。

 

みんなと一緒の行動をする
決められた時間で行動する
お遊戯や運動、勉強

 

といった狭い枠に子どもをはめるのではなく、

 

日常生活の中で
その子は何に関心があって
どんなことが得意で
何をしていると熱中するか
何が好きなのか嫌いなのか

 

といったことを見ていきながら
苦手なことは簡単にできる工夫を、

好きなこと得意なことを
どんどん伸ばせるような環境を
整えていけるといいですね。

 

当相談所でのサポート

身体の声を聴くメンタルケアでは
発達が気になる子の保護者の方からの
ご相談を受けています。

 

・うちの子HSCなんです

・集団行動が苦手なんです

・園、学校に行きたくないというんです

・診断を受け療育に通っているけれど
日々の対応で困っています

・診断を受けたけどHSCでは?

など気になることがあればご相談ください。

 

発達診断や子どもへの具体的なサポートは
行っていませんが、

 

子どもの発達で悩む親御さんの心のサポートを
行っています。

 

HSCのチェックリスト

1、すぐにびっくりする
2、服の布地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
3、驚かされるのが苦手
4、しつけは、つよい罰より、優しい注意のほうが効果がある
5、親の心を読む
6、年齢の割に難しい言葉を使う
7、いつもの違う匂いに気づく
8、ユーモアのセンスがある
9、直感力に優れている
10、興奮した後はなかなか寝付けない
11、大きな変化にうまく適応できない
12、たくさんのことを質問する
13、服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
14、完璧主義である
15、誰かがつらい思いをしていることに気づく
16、静かに遊ぶのを好む
17、考えさせられる深い質問をする
18、痛みに敏感である
19、うるさい場所を嫌がる
20、細かいこと(モノの移動、人の外見の変化など)に気づく
21、石橋をたたいて渡る
22、人前で発表するときには、知っている人だけのほうがうまくいく
23、物事を深く考える

 

13個以上に「はい」なら、その子はHSCかもしれません。
が、心理テストよりも目の前の子どもを観察する親の感覚のほうが正確です。
たとえ「はい」が1つか2つでも、その度合いが極端に高ければ、
お子さんはHSCの可能性があります。

(『ひといちばい敏感な子 子どもたちは、パレットに並んだ絵の具のように、
さまざまな個性を持っている』エレイン・N・アーロン著 明橋大二訳 一万年堂出版より)

 

 

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